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      【 フィールドフォト 】
        #001
        #002
      【 ブルータンク/バックナンバー(2005〜06) 】

第1回のフィールドフォトですが何か象徴的な意味を含ませる画像として色々と考えました。
そして、この半水面(かなり無理やりの半水面ですが)の一枚をご紹介する事にしたいと思います。
これは、サンゴが繁殖するリーフエッジのすぐそばにある藻場です。
潮通しが良く葉ゴケなどがとても少ないリュウキュウアマモが繁殖している場所です。

さて、この画像でお分かりだと思いますが、琉球石灰岩で出来た岸が藻場のすぐ近くに見えると思います。
この岸にある岩場ですが、この岩のすぐ上にはアダンやオオタニワタリといった亜熱帯植物が着生して森のように生い茂っています。
(さすがに画角のないレンズなので、そこまで写し込みが出来ませんでした。)
こうした海岸線に切り立つ岩は、淡水の貯蔵庫のような役割を果たしており、ミネラルを含む水を岩の内部や隙間を通して海中へと送り込んでいます。
岩がオーバーハングしている場所などでは、そうした事を裏付けるかのように所々で水が染み出している場所があり、夜になるとヤシガニなどが水を飲みに海岸線の岩まで這い出してきます。
そんな場所では、陸上植物と海中植物、真水と海水、岩と砂、そんな関係がどこかできちっと成立っているのを感じます。


アマモ場のオアシスに溜まる、キンセンイシモチとミツボシクロスズメ。
緑一色が広がるの藻場地の中で華やいだ色が交差するわずかな場所です。
カラフルな色で構成されるサンゴ礁とは違い、アマモ場は単調なパターンと印象を持っている場所でもあるので、こうした場所は特に生命の色が浮き上がって見えます。
ちなみにキンセンイチモチは後ろに見える岩に、ミツボシクロスズメはイボハタゴに居ついて生息しています。

ここで繁殖しているのは、すらっと細長い葉が直線的に伸びるベニアマモです。

さて、このようなアマモ場の風景を水槽へ持ち込もうとすると問題になるのが、生体と水槽の大きさとの関係です。
ベニアマモの高さが20〜25cm程度ですので、底砂を10cm敷いて水面までを10cm空けたとしても40〜45cmは必要となります。
この場合、最低でも60cmサイズの水槽(45cmキューブでも可能かな?)が必要になります。
これでも実際は、アマモ葉の先から水面までが10cm程度しかないので奥行き感を出すには、それなりに配置を考えなければなりません。
90cmでアマモ水槽・・・見てみたい方はいても、やられる方はあまりいないでしょうね。



  ブルータンク/バックナンバー(2005〜06)

  採取に対する考え方として  
アクアリストは、手にした生命の神秘や美しさと同等に、それらの重みも手にしていることを採取者として理解しています。
一般的なリーフタンクに掛かる手間は、相当なものです。放置(自然環境に類似した複合的バランスを形成すること)をしても何とかなるレベルを作り出すことは、至難の業です。
一喜一憂しながら、その領域へと知らず知らずのうちに入り込んでいき、如何なる手間も惜しまなくなる。そんなアクアリストへ大切に採取したものを提供していきたいと考えています。
数年前から、クマノミの乱獲を危惧する声が多くなりましたが、このような問題は随分と昔から考えられてきました。採取も含め人為的な破壊や自然現象により、変化している海域を議論するには十分な知識と経験、そして時間が必要です。
無論、乱獲は理由なく否定すべきものです。が、実際の現場で乱獲とは、どのようなものなのかを定義するのは難しいことではあります。
例えば、カクレクマノミの共生するハタゴイソギンチャクは、単独で生息しているわけではありません。生息エリアに点在した広大なコロニーのようなものを形成しています。
実際に、300m足らずの藻場に30から50の個体を確認できるエリアが沢山あります。そのような場所で、カクレクマノミを8割方採取しても、2、3年で回復の基礎は出来上がります。つまり、2、3年放っておくと、一つのハタゴに3cm程度のカクレクマノミが3、4匹は定着しているのです。
(最近観察しているハタゴでは、繁殖から半年で3cm個体のクマノミが7匹程度は確認出来ました。 想像以上に自然界の繁殖サイクルは早いようです。・・・・追記として。)
一方で、ハタゴイソギンチャクを8割方採取してしまえば、そのエリアのカクレクマノミは回復できず、確実に減少します。
では、沖縄でのハンドコート採取で、一日に採取できるハタゴイソギンチャクがどれ位あるのでしょう。特殊工具や薬物を使わない限り、専門の採取業者が採取できる数は10体も無いでしょう。いいところ、5、6体ではないでしょうか。
その理由として、全てを完璧に採取することは、とても難しいからです。
採取経験のある方はご存知かと思うのですが、イソギンチャクの採取(特にハタゴ)は、想像以上に手間が掛かるので、見つけたすべてのハタゴを採取できるわけではないのです。
経験豊富な採取者なら、採取しやすい個体だけを選びます。無理をすれば、結果的にダメになることを知っているからです。だからと言って、同じエリアでハタゴを短期的に採取したら、壊滅的な状態になるでしょう。
基本的には、そこら辺が乱獲の線引きになるのではないかと思います。また、そのエリアで一定のペアを残しておくことも重要なことではあります。
そうした意味では、自然繁殖できる最低限の状況は残すべきものと思います。それは、採取業者とアクアリストの共有すべきテーマでもあります。
その上で、長期飼育を目指すアクアリストへ長期飼育が可能な個体を提供していく事が必要と考えています。
最後に、国内採取の業者にとって、価格競争を強いられる国外採取業者はライバルでもあります。
がしかし、セブやインドネシアやベトナムの環境で乱獲が起こり、海を枯渇させ、その結果として沖縄産という構図がいいとはとても思えません。
理想論かもしれませんが、どこの海も等しく大切なものです。
その中で、沖縄産を採取する業者として、アクアリストと共に自然界の複合的なバランスを追求しつつ採取していることを是非ご理解ください。
< 手にするのは、こうした海域から採取される生体です。>

        


  採取の現場から(イソギンチャクの採取について)  
海水魚やソフトコーラルの採取で一番気を使うのは、個体に傷を付けないようにするという事です。
簡単で誰にでもわかる事ですが、採取現場である海でそれを実行するのは、それ程簡単ではありません。
例えば、ハタゴイソギンチャクを採取する場合、ほとんどが素潜りで採取を行います。
水深で1,2mの場所ですが、イソギンチャクの根元が着いている岩を特定するには想像以上の時間が掛かります。
ハタゴに限って言えば、根元の岩はまずわかりません。
手探りで採取に取り掛かり、そこからきれいに採取するのに、場合によって30分以上を費やすこともしばしばです。
その間、何十回もの素潜りが必要です。
流れや、風の影響で体を固定するのも、ままならない状況での採取もたびたびです。
こういう状況の場合、何度か、あきらめる事も考えたりします。
そして、時間と共に無理矢理に採取したくなる気分も出来てくるのです。
一方、丁寧に採取したつもりでも傷がついていることもあります。
(イソギンチャクの根元が、ほんのちょっとでも裂けている場合、その個体は海からあげません。海では完全に治癒しますが、水槽内ではダメになる確率が高いからです。)
だからこそ、採取できる個体かどうかを見極める必要と、その個体を最後まで採取する集中力が必要になります。
採取をしたら、今度は採取個体の管理も考えなくてはなりません。
他のイソギンチャクと一緒にしたら、毒性の強いハタゴの毒で痛んでしまいます。
また、管理水槽までの輸送も考えなくてはなりません。
採取時のストレスでイソギンチャクは、大量の粘液を出します。
その為、大量の海水が入るイケスでなどと思うのですが、これがまた輸送時間によってはそのイソギンチャク自体を痛めてしまいます。
大量の海水は、輸送時のゆれの力も大きくなり、岩やイケスの壁にこすられて痛んでしまうのです。 痛んだ個体を水槽に入れると、その水槽内のもの全体の状態が悪化します。
悪化した個体は更に傷がつきやすくなり、梱包時や輸送時のちょっとした扱いから致命的なダメージを受けます。
このような、状況をいくつも乗り越え、採取された個体の状態が決まるということを考えると、傷をつけずにということが、いかに重要かがご理解いただけるのではないでしょうか。
われわれ採取業者は、この事にとても気を使います。
それは、皆さんが水槽内の状態にとても気を使うことと同じです。
残念ながら、そこまでしても死着や着後短期間での悪化という問題は生じます。
(尚、如何なる状態で荷物が届いたとしても宅配会社の保証は一切受けられません。)
ブルータンクとしては、そのような方のためにも、生体のためにも、可能な限り死着等のトラブルのない生体取引をと考えています。
< 足盤に出来た少しの傷(青い部分)で、状態は悪化していきます。>

        

  採取の現場から(クマノミの採取について)  
昔から人気のあるカクレクマノミですが、販売業者さんへの採取で、ペアやファミリーとして隔離され採取することは、ほとんどありません。
採取や梱包に手間が掛かるからという理由です。
採取されたクマノミを、そのままイソギンチャクと一緒に水槽まで運ぶことも多くあります。
このような場合、丈夫と言われているクマノミもさすがに、移動だけで死んでしまう個体が出ることもしばしばです。
最近は、繁殖という目的でぺアを購入される方が増えてきていますので、隔離という手間が掛けられるようにもなりました。
更に、隔離した事で一緒にしたクマノミ同士のケンカで傷付く個体もなくなりました。
(ペアでないクマノミの場合、メス同士を一緒にするとケンカして一方が傷付きます。ペアでもケンカすることはありますが、傷が付くようなケンカは滅多にありません。)
何より、移動や管理水槽内で採取した個体の状態管理が適切に出来るようになったことは大きな違いです。
ご存知のようにペアには、それぞれの個性があり、色や気性などにその違いを見ることができます。 特に、色の感じなどはペアごとの違いがはっきりとしています。まさにペアルックといった感じです。
慣れた販売業者さんなら、一緒にされたもの中から複数のペアを仕分けすることが出来るようですが、これは色の感じなどから判断しているようです。 (間違えるとケンカになりますが。)
気性などの違いは、採取中にも伺えます。
本来、ハマクマノミのような攻撃性が強いものと違い、大人しいカクレクマノミですが、採取中に攻撃してくるものもいます。
よほどの事なのかと思い採取をやめてしまう心情にさせられます。
そうやって採取された、特に性成熟した大きなペアは、繁殖を考えている方にと思っています。
カクレクマノミのような繁殖ノウハウがあるものは、繁殖していくのがいい方向だと考えています。
採取者としては、繁殖用の母体を採取する役割を担えばいいのかとも。
無論、繁殖を目的としていない観賞用としてのペア飼育も十分な意味があると思います。
ストレスのない、状態の安定した個体が飼育出来ます。
そして、それは飼育者の水槽内はもちろん、飼育者の水槽に入る以前、採取の段階から移動・輸送まで通してペアである状態を作り出せることが大きいのはないでしょうか。

  採取の現場から(個体の維持と管理について)  
採取業者の水槽は、一般的な飼育水槽とはかなり異なります。
よく飼育に関する質問を受けるのですが、あまり参考にはならないと思うのは、そういう状況の違いからです。
何が大きく違うのかというと、水槽内のバランスという考え方に違いがあります。
採取商品が大量に入り、また出て行く水槽なわけですから、バランスを維持していくというより、バランスを復元していくシステムという考え方になります。
それは、具体的には水量・水質・ろ過・光量といった点で違います。
まず、水量ですが採取業者の管理水槽はトンといった単位での容量が一般的です。
そして、水質においては、すべて天然海水を使用します。
ろ過は大量のバラスを敷詰めたウエット式の生物ろ過で硝化能力だけを追求します。
光に関して言えば、全ての採取業者がそうというわけではないのですが、自然光(間接的な太陽光)を取り入れます。
要約して言えば、大量の天然海水で、太陽光照射という自然になるべく近い状態を作ります。
これによって、出入りの激しい水槽内のバランスを復元します。
とくに、無脊椎には太陽光というファクターは非常に重要です。
褐虫藻を持つ好日性のものなどは、光量不足になると、すぐに褐虫藻が抜け落ちますので、状態を保つためにはこうした水槽での管理が必要となります。
イソギンチャクなどは、光の当たらない水槽でも採取後1ヶ月程度は持ちます。
がしかし、光合成できない状況が続くため、褐虫藻は抜け落ち、どんどん白く透明になっていきます。
蛍光色が入っている茶色の個体などは、イエロー(グリーン)やピンク(パープル)だけが残り、一見きれいな個体にも見えます。 これは、大型水槽での長期の蛍光灯飼育などでも起こる現象です。
そのような個体は、やがて自己の栄養を使い切るかのように小さくなってダメになっていくことが多いのです。
一方、クマノミに関しても、同様な水槽での管理が行われます。
以前、コバルトやデバなどは、エルバージュやクリーンFゴールドなどによる薬浴槽が使われていた時期もありましたが、最近はあまり聞きません。
これは、採取時の傷の治癒という目的でしたが、天然海水と太陽光という状況がうまく作り出せれば、やはり傷の治癒も早くなります。
また、クマノミについての質問で多いのが、餌食いについての質問です。
まず、どんなに出来上がった水槽でもクマノミは採取後3、4日程度は人工餌には反応しません。
環境にも慣れ、隔離スペースでのストレスが無くなりはじめてから、餌を食べ始まるようになります。 いったん食べ始めると、際限なく食べるようになります。
人影を察知しただけで、水面でパクパクするような仕草をしますが、与えすぎることの無いようにしなければなりません。
自然界より飼育環境の方が圧倒的に栄養過多に成り易いのです。
クマノミの色揚げについても色々と言われる事が多いですが、このような管理水槽で実際に体色の変化が見られたことはありません。
これは、長期飼育や繁殖で稚魚からの飼育といった状況で起こるのではないかと思います。
市場では、時として自然界からかけ離れた個体が出回ります。
何がいい悪いは、趣味の問題ではありますが、自然環境そのままを維持・管理してお届けするのが、ブルータンクの役割と考えています。
< 左:正常な状態。 右:褐虫藻が抜けて色素が際立つ状態。>

        

  採取の現場から(梱包と出荷について)  
ここ石垣島で、業販用として使用される発泡資材は宅配サイズで140(160)というサイズです。
これは、一般的な、みかん箱サイズより1.5倍ほどの高さがあります。
重さも20sから25sまでとなっています。
このサイズの発泡スチロールが石垣で出来たのは、つい数年前の事です。
それまでは、高さの無い発泡の底を抜いて、2段重ねるというような事をやってきました。
無論、ダンボールを使用しますからバラバラになるという事はないのですが、強度にはかなりの問題がありました。
(当時はダンボールすら、沖縄本島から取り寄せていました。)
そのときに比べると、だいぶマシにはなったのですが、今の一体型の発泡ですら時々は到着時に割れている事があります。
発泡が割れるくらいですから、当然、中身が無傷で済むわけがありません。
これは、ひとつには、ダンボールの使用によって配達員や仕分け作業員が中身を確認する事なく本能的に投げてしまう可能性があるからだと思います。
その上、重量があるという事も破損の大きな原因としてあるでしょう。
が、しかし、希少性のある個体などを、ダンボール無しの小さな発泡で送ることがあるのですが、これが破損するというような経験は一度もありませんでした。
保温・保冷には効果のあるダンボールなので、無しにすれば内側を断熱することが必要になりますが、投げれば割れるとわかる発泡で扱いが違うのであれば、価値十分だと思うのです。
ブルータンクとしては、このような理由から80及び100サイズの発泡資材に内側断熱して、そのままで出荷いたします。
また、パッキングについては、通常の業販パッキングの2倍の海水と酸素を充填しています。
その事が個体の状態にどのような影響を与えるのか、確認できているわけではありませんが、少くとも酸素量が増えることで酸欠などへの安心が増すと考えています。
送りで受ける生体へのストレスを考慮する事は、国内産の採取業者に課せられた義務のようなものでもあります。
セブやインドネシアの出荷要員のように、一ヶ月何百円で仕事が出来るわけではありませんが、せめて沖縄石垣産に恥じないような状態で送りたいと思うのです。
< Sサイズ梱包例。保冷剤・カイロ等で水温調整してお届け致します。>

        

  採取の現場から(イソギンチャクの扱いと撮影について)  
<イソギンチャクの出荷時の扱いについて>

通常、採取されたイソギンチャクはそのまま管理水槽に放すような事はせず、ザル等に入れて移動しないように管理されます。
(尚、浮かべておくとエアーを含んだ水流などで口盤から空気が入りやすくなるので、沈めておくのが丁寧な管理方法です。)
採取時に足盤に活着していた岩などを残した状態で入れる事もあれば、きれいに剥がして入れる時もあります。
これは、そのイソギンチャクの状態を見ながらという事なのですが、出荷時には大きな岩などが付いているとパッキングが破れる恐れがあるので、それまでにはきれいに剥がしておきます。
尚、ザルに入れておいたイソギンチャクは、時間と共に自然に剥がれることが多いのですが、剥がれたイソギンチャクは今度はザルに活着します。
完全にザルに活着してしまうと、今度はまたザルから剥がすのが大変なので、ザルの底にバラス(サンゴ片)を敷いてあげます。
バラスを敷く事で、バラスに活着した場所から簡単に剥がしていくことが出来ます。
例えて言うと、ぴったりと張り付いたシールの端に物が挟まっていて、そこから剥がしていくような感じです。
イソギンチャクの足盤は、足盤の周囲は薄くて剥がれにくいのですが、中央部分は丈夫で剥がれやすいので、一部が剥がれたら割と簡単に剥がせます。
バラスは角のとれた小さなものですから、足盤に多少は残っていても、そのまま入れてパッキングします。
言うまでもなく、これらは時間に追われながらの出荷作業で個体を痛めることがないように行っているものです。
そもそも、採取者の中ではイソギンチャクは送りに強い種だという認識があります。
がしかし、出荷時に足盤を傷つけてしまえば、輸送中に弱る事は確実です。
足盤を傷付けると水槽内でも、口が開いてだらっとした状態になりますので、止水状態での輸送となればその弱り方はかなりのものです。
出荷時には、剥がした足盤の状態を細かく観察する余裕などはありませんので(確実な傷はわかりますよ)、いかに安全に剥がすかという事がイソギンチャクの出荷ではとても大切なのです。
<イソギンチャクの撮影ついて>

イソギンチャクの色彩は、そのイソギンチャク自体の持つ蛍光色素と褐虫藻のもつ茶色の色素で構成されていると考えられています。
イソギンチャクの撮影で一番気を使うのが、そのイソギンチャクの持つ蛍光色素を見た目どうりに再現する事です。
これらの蛍光色素は、自然光下でも見る事が出来ますが、写真ではブルーライトを使用しないとなかなか再現する事が出来ません。
また、自然光下では光量や光質条件を一定に保つ事が出来ないという撮影に不向きな問題もあります。
基本的にノーマルは、褐虫藻が強いものですから全体として茶色の色彩になります。
イソギンチャクを初めて見る方などへは茶色といった表現で済むのかもしれません。
がしかし、生体への観察力を持った飼育者の皆さんは、このわずかな色の違いにも関心を注がれている事でしょう。
ですから、なるべく自然な形でこの色素を画像の中で再現しようと試みています。
(ちなみに画像ソフトで調整するのは、レベル補正だけです。カラーバランスや色相・彩度等は一切いじりません。)
完全なノーマル(蛍光色素のほとんどないもの)という個体もありますが、だいたいが程度の差はあれカラーの色素を持っています。
これがとても強いとカラー個体という事になるのですが、そうした個体の採取確率は極めて低いのが現状です。
希望としてはカラー個体なのだけれども、状態のいいノーマル個体でなるべくいい色彩をもったものを、という方を考えての撮影を心がけています。
無論、採取でもそうした色彩のなるべく強いものを選んでいます。
尚、状態を確認したいという方の為に、なるべくイソギンチャクが開いた状態で撮影を行いたいと思っているのですが、現段階ではとても時間が掛かるので行えていない状況です。
これは、今後の課題でもあります。
< ハタゴパープル 左:ホワイトのみ蛍光灯撮影 右:ホワイト+ブルー蛍光灯撮影 >

        

  採取の現場から(イソギンチャクのサイズ表示について)  
皆様がイソギンチャクを選択する場合、状態や色と共にその大きさ等が重要となるかと思います。
がしかし、収縮するイソギンチャクのサイズについては、色々と環境条件などがあり、正確な表記については難しい側面もあります。
そこで、実際にはどのように大きさを測定、表示しているのか、という事についてご説明したいと思います。
まず、始めに行うのが、採取前に見る海域でのサイズ測定です。
採取直後には、水を吐き出し一回り小さくなるのが普通ですから、このサイズをしっかりと測定しておく事が後々重要となってきます。
海域での測定については、水中での屈折率(水中メガネ内の空気と海水による光の屈折)によって実物より大きく見えますから、必ず採取者の手の大きさを基準として測ります。
この場合に重要視している基準は、海域でのサイズが20cm以内かどうかです。
この事は後で、色々と細かなサイズ表示の際に必要となる基準です。
その後、採取されたイソギンチャクはザルなどの容器に移して管理されますが、この容器のサイズも測定の為にはとても重要です。
水槽内でのケア後の大きさなどを容器から見て判断する事が出来るからです。(水槽内も当然屈折して見えます。)
こうして、大体のサイズは海域と水槽内で測定したものを比べ、その個体の持つ安定したサイズを割り出します。
(尚、採取時の傷などで弱っていると海域と水槽内のサイズが大きく違ってきます。)
基本的には、このサイズが現場での標準サイズなのですが、これで終了という訳には行きません。
何故なら、これらは天然海水・自然光という条件でのサイズだからです。
ちなみに、ハタゴなどは、完全に開き切った状態から7割程度に縮んだ感じで適度なウネリを持っています。
これを、皆様の水槽内に入れるとほとんどの場合、時間と共に大きくなっていきます。
これらは、飼育環境などの違いによって出てくる差でもあります。
こうした影響を見積もりサイズを決定しなければならないのですが、これについてはハタゴの場合は通常+5pで計算します。
そして、この修正サイズの測定で重要となるのが、海域での20p以下かどうかの基準です。
例えば、20p以下の場合ですと20〜20p+表示、20p丁度ですと25p表示、20p以上ですと30p表示という具合に換算する事が出来ますので、大きな個体の要望が無い場合は20p以内のものを採取する様にします。
このようにして、採取された生体のサイズ表示が決められていきますが、こうした数値も、あくまでも参考としての大きさにしか過ぎません。
採取者にとっては、採取の際に感覚的に大きさを判断する事は出来ますが、それを伝えるのは難しい作業でもあるのです。
がしかし、現物を直接見て選ぶ事の出来ない皆様に、イソギンチャクの大きさを細かく測定・修正してお伝えする事で少しでもイメージどうりの選択となればと考えております。
<15p容器での表記例 左:15p+ 中:20p− 右:20p >

    

  採取の現場から(繁殖シーズンの採取について)  
春になり、暖かくなる季節の到来ですが、海もまた生命の活動が活発になり華やいでくる時期でもあります。
好天が続き、水温が上昇してくると海では繁殖のシーズンとなります。
クマノミのお腹も大きくなり、またイソギンチャクの影ではひっそりと産み付けられた卵を見る機会が増えてきます。
皆様も水槽を充実させ、華やいだ雰囲気を楽しみたいとする頃なのかもしれません。
が、しかし、自然の周期と共に生きる採取者にとって悩ましい時期でもあります。
繁殖シーズンは、採取者それぞれが葛藤をしながら採取に当たる時期でもあるのです。
繁殖に関する自然界での生存率は、本当にわずかなものです。
そんな厳しい環境から生命の営みの芽を摘むことを多少なりとも避けられればと思います。
だからといって、全面的に採取を控える事の出来る業者はわずかなものです。
購入希望者が増える市場圧力の中、個々人の線引きで採取は行われていきます。
採取の善悪ではなく、そうした中でこの時期の当方の採取を控える事情をご理解頂きたく思います。
誤解を招く恐れがあるので、言及いたしますが、この時期に採取を行う業者も重々バランスを考えて行っていると思います。
自然界の周期を熟知する採取者は、決して闇雲な採取は行わないはずです。
皆様にとって、楽しみを継続していく機会を一気に失わないためにこうした現状を片隅で認識して頂ければと思っています。
この時期にご購入を検討されていた方には、本当に申し訳ありません。
石垣島産のハンドコートをこれからも定期的にご紹介させて頂きますので、是非ご理解の程よろしくお願い致します。

  採取の現場から(自然界の周期について)  
ご存知の方もたくさんいらっしゃると思うのですが、我々のような海で生活する者は、海洋生物の生活周期を太陽歴とは異なり月の暦で判断します。
月の暦とは月齢のサイクルであり、満潮・干潮といった潮汐のサイクルです。
例えば「旧暦3月のこの潮の満ち上げで産卵する。」とか、「この場所には次の潮で魚が入ってくる。」などといった感じです。
こうした月のもたらす周期は、魚や珊瑚の繁殖周期と経験的に一致します。(人間のお産も月齢との関係があるという説も・・・。)
月の満ち欠けは、海という自然界では重要な要素だと考えられ、こちらに生息するほとんどの魚は(全てではないですが)、この周期によって生息環境を変えています。
一方、珊瑚類もこの潮汐などの周期や水温などによって繁殖行動を行っているようですが、生息環境を固定しているので、その環境が適切でないと繁殖(生存すら)出来なくなる恐れをもっていると言えるのかもしれません。
近年の白化現象が水温上昇を主要因としている事からも、その生息環境の変化が与える影響をうかがい知ることが出来ます。
皆さんもリーフタンクを維持する上で、この安定した環境を特に考慮されていると思います。
確かに外洋に面した珊瑚礁域は、水温や水質など、とても安定的した環境と言えるでしょう。
一方、潮間帯であるリーフ内は水温や水質変化のとても激しい環境であります。
季節によって微妙に景観を変えている(藻類などの増減)場所でもあり、同じく季節によって魚が移動したりしている場所でもあります。
この変化の作り手のひとつでもあり、また調整役でもあるのが潮汐のサイクルだったりします。
そして更に大きな周期として、生命の繁殖を促すシグナルも送っているようです。
満月・新月でリーフタンクの生体にどのような変化が見られるのかはわかりませんが、何か変わった傾向が見られるかも知れませんね。 また、そのような観察をしている方がいましたら、是非教えて頂きたいと思います。

  採取の現場から(ハタゴイソギンチャクの大きさと採取について)  
石垣島で見られるハタゴイソギンチャクのサイズですが、一般的には25pから30pが多く、手頃サイズでもある15pから20pというサイズは思う程にありません。
更に小さな10pから15pという稚ハタゴのようなものは、とても珍しく滅多にないものと以前までは考えていました。
ところが、小型ハタゴの採取要望などで、どんどんと小さなハタゴを探していく内に、このような小さなハタゴがハタゴの生息域にある程度存在している事がわかりました。
このようなハタゴは、クマノミが共生しているような一般的なサイズのハタゴを探していく視点ではなかなか見つけ難くというだけで、以外にも人知れず生息しているのです。
がしかし、クマノミが共生しているわけでもなく、また1M範囲内からですら見えずらい場所にいたりもするので、探すのには通常ハタゴの数倍の手間が掛かります。
当初はこのような小さなハタゴを採取するのは、どうだろうか?という生物保護に関する倫理的な事や、このようなハタゴの生息数などを考えていました。
現在も、通常のハタゴは誰にでも簡単に見つけやすく、採取対象になるので、こうしてひっそりと生息するチビハタゴを残す事で次世代のハタゴとなるのではないのか?という考えや、通常ハタゴが分裂や産卵活動をしている証拠でもあるのだから通常ハタゴはなるべく採取せず、チビハタゴを採取する方がいいのではないのか?という考え方の中で思考錯誤の採取をしています。
ハタゴのライフサイクルや生態などが不明の現在、手探りで採取の方向性を探るしかないのですが、皆さんはどのようにお感じになられますでしょうか?
石垣島の採取者一人でどうなる問題ではないのですが、こうした採取に関する方向を含め飼育者の皆さんのご意見を頂ければと考えております。
ちなみに、クマノミについては繁殖期にある繁殖個体はなるべく残すようにする事で自然繁殖の範囲で一定の生息量が保たれると経験上判断する事が出来ます。

  採取の現場から(カクレクマノミの自然繁殖について)  
ブルータンクを立ち上げてから、今まで漠然と感じていたカクレクマノミの自然繁殖について、採取者としてもう少ししっかりと観察する必要性があるのではという思いが強くありました。
クマノミについては、一ヶ月に一度の割合で産卵するとも言われていましたが、実際の感覚では本当にそれ程の周期で効果的な自然繁殖が行われているとは考えられませんでしたので、昨年からあるフィールドでハタゴにまったくカクレの共生していない個体を定期的に観察して来ました。
「魚を採るなら毎日海で観察しろ!!」
海人の師匠でもあり、採取者としての大先輩でもある方から言われていた言葉を胸にしながらの観察でした。
このフィールドでの観察は今年の冬から始まりました。
冬場でも外洋のセンジュなどと共生しているカクレでは卵を見る事はあったのですが、このフィールドでは冬場(1〜3月まで)のハタゴに産卵直後の稚魚が見られる感じはありませんでした。
がしかし、やはり春(4月に入り)には産卵繁殖したカクレの稚魚が観察していたハタゴにも15匹位流れ着いていました。
近くにあるイボハタゴなどにもクマノミ稚魚が着きましたし、他のフィールドでもこの時期に一斉に稚魚が見られました。
その後、このフィールドでは新たな稚魚が増えた形跡などはなく、クマノミ稚魚による自然繁殖はこの時期に限られたようです。
これは今まで感覚的に思っていた事と同じような結果でしたが、やはり春になり水温上昇と共に稚魚の成長に欠かせないプランクトンなどが大量繁殖する結果からなのだろうと推測しています。
この時期の藻場地には、アマモの周りに沢山のプランクトンが発生しているのが確認出来ます。
更に定期的に観察してみると稚魚の成長が思っていたより早く、半年(9月まで)で3cm程度までに成長していました。
このサイズになると、半数近く(9月の観察時点では7匹程度まで減少)の稚魚が淘汰されていくという結果でしたが、この稚魚の中でも特に成長の早い個体があり、それは4cm程度まで成長してボスのような振る舞いをしています。
やがてこの個体はメスとして性成熟していくのだと思いますが、その頃には4、5匹程度にまで淘汰されていくでしょう。(これも採取者が持つ今までの経験から来る感覚ですので、今後も観察していきたいと思います。)
厳しい自然界の生存競争の中では、ハタゴ1個体で共存出来るカクレクマノミには定数のようなものがあると思っています。
ちなみに、何故15p以下のハタゴにはカクレの稚魚が着かないのかという疑問が沸きましたが、そうした小さなハタゴを観察していくと、これらがかなり移動性をもって生息している事がわかりました。
このような小さなハタゴ数個体を定期的(一週間という間隔)に観察しに行くと、居たはずの場所に居なかったりするのです。
周囲を探してみてもなかなか見当たりません。
大きなハタゴは、何年と変わる事なく同じ場所に居たりするのですが、どうやらこうした小さなハタゴは成長に伴い点々と移動しているようです。
これでは、カクレもなかなか定着する事は出来ませんね。
今後も、このフィールドでクマノミが性成熟するまでに要する期間や成長の過程で淘汰されていく個体数、そして再び稚魚の繁殖時期になるとどうなるのか、といった事を観察していきたいと考えてます。
尚、ブルータンクでは、こうした採取フィールドでの一連の観察は、ダイバーや研究者といったところではなく、我々アクアリュームの世界で蓄積・発信されていく情報として共有して行きたいと考えています。
何故なら、ニモブームで騒がれたカクレクマノミの乱獲騒ぎの中、こうして多くの皆さんがクマノミの水槽内繁殖に成功してその情報を蓄積・共有し、自然海域での生息環境や個体情報などにまで興味を頂いているからです。
こうした現状の中、わずかながらの現場からのフィードバックではありますが、アクアリストの皆様にお届けして行きたいと強く思っております。

  採取の現場から(カクレクマノミの自然繁殖について・その2)  
今年も暖かくなり自然界では産卵活動が見られる季節になりました。
藻場地にもたくさんの小さなプランクトンが湧き出し、付着藻にもメゲズにアマモ類の成長が著しくなる季節です。
そこで、今年の産卵状況はどうかな、と以前より観察を続けてきた場所に定期的に通っては昨年の繁殖カクレを観察していたのですが、最近になり残念な事に採取されてしまいました。
4月までは確認出来ていたのですが仕方ないですね。(親しい同業者仲間にも聞きましたが、業界外の人の採取ではないかという事でした。)
とりあえず、秋以降の観察では個体の成長や生息数に変わりなく4cm程度の個体が6匹程度といった感じで安定していました。
パッと見で判断出来るくらい性成熟した個体への成長などもなく、本当に変化の少ない感じでしたので春から夏に掛けて活性が上がる時期の変化を期待していただけに、という感じでもあります。
がしかし、今年はハタゴの繁殖についての観察もかなり出来ました。
定期的に観察している数箇所の海域で繁殖増加した可能性のある小さなハタゴを今年も数個体ずつ確認出来た事などから、おぼろげですがハタゴの繁殖パターンなどが見えてきた感じがします。
現在の推測では、秋から冬に掛けてのかなり狭い範囲でのハタゴコロニーで生息数と同等数程度の増加をして、水温上昇する夏場に掛けて広い範囲へと移動していくだろうと考えています。
つまり、突如として現れる小さな個体が確認出来る時期が冬場などに限られる事や近くに適度の大きさのハタゴが数個体ある事、そして複数個の増加個体である事、夏場になると見えなくなる個体も多い事などから、上記のような繁殖活動をしているのではないかと予想しました。
もう少し細かい特徴や傾向などもあるのですが、これは直接採取に結びつくような話でもあるので、ここでは止めて置きます。
この事で個人的には、カクレ同様にハタゴも基礎的な生息状況を崩さなければ、自然繁殖で短期的に回復していくだけの繁殖力を持っているだろうと想像しております。
ハタゴは確認出来る範囲で少なくとも十数年以上固定的に生息出来る個体ですから、大型個体を残せばハタゴ自体の激減には繋がらないのでは、とも考えておりますが皆さんいかがでしょうか。




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